石の裏のダンゴムシ

みんなの安全基地。生きづらさを感じている人のための居場所です。

不快な思考や感情を手懐け、自分の人生を生きよう。

 

つっきーです。

なにか簡単に挨拶を、と思ったのですが、3日ほどかけてこのエントリーを完成させたのもあってか、なにも思いつかないです。あ、前回告知しましたが、今月のダンゴムシの会は新宿御苑でやります。晴れてほしいなぁ。現時点で初参加の方が3名も来てくれるみたいなので、ちょっと嬉しいです。ちょっとって失礼かな…?(笑)

うん、もう本当に書くことが思いつかないので、本紹介に移ります。結構頑張って書いたので、みなさんも頑張って読んでください。

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今回ご紹介するのはこちらの本です☟

 

ACT(= Acceptance & Commitment Therapy)は、新世代(第三世代)の行動療法の1つだそうです。文字通り、受け入れて(=Acceptance)、やる(=Commitment)というのがACTです。本書の内容はこのACTに基づいています。本書をかなり大雑把にまとめるとすると、「不安や罪悪感などの苦痛な思考や感情から逃げずに、むしろそれらを受け入れた上でやるべきことをやっていく。そうすることで人生はきっと好転していきますよ。」という感じになります。とは言っても分かりにくい部分もあると思うので、以下でもう少し詳しく見ていきますね。

 

「幸福の罠」

私たちがハッピーエンドを好むのは、社会が人生は幸福であるべきだと迫るからだ。すべてが喜びや楽しみ、平和や満足、事が終わった後には永続的な幸福が待っている‥‥‥。だが、そこに現実感はあるだろうか? 自分の人生経験と重なるだろうか? (p.18)

まず、本書には「幸福の罠」というワードが度々出てくるのですが、これは幸福になろうと努力するほど不幸になるという悪循環のことです。著者はこの「幸福の罠」について、幸福はすべての人類にとって自然な状態だ、幸福でないのはあなたに欠陥があるからだ、より良い人生を創造するためにネガティブな感情を追い払わなければならない、自分の思考や感情をコントロールできなければいけない、の4つの神話に支えられていると述べています。つまり、このような思考(神話)に基づいたやり方で幸福を追求すると、結果的に不安や鬱に悩まされたりで不幸になる、ということです。

 

ACT の6つの行動原則

さて、この心理療法ACTですが、これには①脱フュージョン、②拡張、③接続、④観察する自己、⑤価値の確認、⑥目標に向かっての行動、の6つの行動原則があるそうです。この6つが相互に作用し合うことで心理的柔軟性、つまり苦痛をもたらす思考や感情への対処能力が高まり、人生を豊かで意味あるものにするための行動をより効果的にできるようになるというわけです。あまり詳細についてはご紹介できませんが、この6つの行動原則については以下でちょっとだけ触れていきますね。

 

マインドフルネス

私の定義はこうだ。マインドフルネスとは「オープンな心と受容力と興味をもって、「今・ここ」の体験に意識的に気づくこと」だ。 (p.166)

マインドフルネスという言葉を見聞きした方もいるかもしれませんが、その定義はあまりはっきりしていないみたいです。ただ本書における定義として、著者は上記のように定義しています。そしてこのマインドフルネスが、幸福になるためのひとつの大切な要素(条件)であるというわけです。

このマインドフルネス、上述した6つの行動原則で言えば①から④が該当します。それぞれ手短に説明すると、①脱フュージョンは「思考、イメージ、記憶を現実や事実と混同することなく、必要以上に注意を向けたり、それらと戦ったり逃げたりしない」というものです。②拡張は「感情や感覚・衝動といったものに、心のなかに余裕・スペースを作ることによって居場所を与える」ということです。③接続は「過去の記憶や未来への不安などに注意を払うのをやめて、今行っていること・経験していることに集中する」ことです。④観察する自己は「思考や感情について観察し、気付くための視点を持つ」ということです。これらを簡単にまとめると上記の引用部分のような内容になります。

そしてこれはマインドフルネスにおいて非常に重要なことなのですが、良くない思考や感情を抑圧したり追い出したりしようとするのは適切じゃないのだそうです。たとえば不安な気持ちになったり緊張したりしないなんてことは現実的ではないですし、何かで失敗して嫌な気持ちになるなんてことも避けようがないわけですよね。生きている限り、そういう良くない思考や感情を持つのは当然のことです。だからそういった思考や感情と戦うのではなく、平和的に上手く付き合っていく方法を身に付けることで心はずっと軽くなって生きやすくなる、ということなんです。①から④までの行動原則に則って、自分の内部に思考や感情や記憶などを観察できる避難場所を作ってみましょう。

 

自尊心と自己受容

結局のところ、自尊心は自分が良い人間かどうかについての思考の集積であると言える。そして最も重要なのは、自尊心とは事実ではないということだ。それは一つの意見に過ぎない。そう、それは真実ではない。自尊心は非常に主観的な価値判断以上のものではないのだ。 (p.183)

本書で「思考する自己」という概念が登場しているのですが、これはザックリ言ってしまえば、ネガティブな思考や感情などを常に生み出している器官みたいなものです。自分自身の欠陥や不十分な点なんかを見つけ出しては、それはもうひっきりなしに訴え続けてくるわけです。これは人間の心の進化の過程を考えると納得できるものなのだそうで、つまりは集団内の他者と比較して拒否されないように努め、自分の弱点に常に注目しそれを向上させることで人間は生き延びてきた、ということなんですね。それが時の流れに従って、現在の「自分は無能だ」「自分は失敗者だ」「自分は不十分だ」といった考え方に結びついてしまっているわけです。

自尊心の低さから自分を惨めに思ってしまうことも問題ですが、高いは高いでそれを保つ努力を常に強いられてしまうことになりかねません。そこで著者は、自尊心を解き放とう、と言っています。自分であることを良しとすること。自分は人間なのだから不完全なのも当然だ、という事実を受け入れること。そして混乱や失敗を許し、そこから学ぶこと。自分を判断・評価する代わりに、自分の強みと弱みを把握・認識し、自分がなりたい人間になるためにできることをする。自己イメージや自尊心というのは、あなた自身を表したものではないかもしれません。

 

人生を創造する

自分が行う選択と、それが人生にもたらす効果に対してもっと自覚的になろう。そうすることによって、人生を弱める選択ではなく、向上させる選択を行うようになっていくだろう。 (p.275)

マインドフルな状態に続いて重要になるのが、6つの行動原則の⑤と⑥の部分、つまり自分の価値観に沿った効果的な行動をするということです。⑤価値の確認は「自分にとっていちばん大切なこと、どんな人間になりたいか、重要だと思うこと・意味があると思うことを明確にする」ことです。そして⑥目標に向かっての行動は「自分の価値観と一致する効果的な行動をする」ことです。

自分が価値を置くものを目的に、それに沿った目標を立てて行動する。そうすることで満足感や充足感を得られるようになるそうです。ここで意識する必要があるのは、「価値の在り方」とでも呼ぶべきものです。人生においてどのように振る舞いたいか、世界や他者そして自分自身とどのように関わりたいか、何をしたいか、どのようにしてそうしたいか。そのような心の奥底にある正直な欲求に価値を置くのです。また価値観に沿って立てる目標も、たとえば「落ち込むのをやめる」みたいなことを目標にするのはやめるべきだそうです。そんなことは生きている限り不可能だから。そうではなくて「じゃあ落ち込む代わりに何をするか、どのように自分の行動を変えるか」といった現実的かつ具体的な行動目標を立てることが肝心だというです。

そして最後のステップ。そのようにして明確になった価値と目標、つまり「自分の進むべき方向」に向かって積極的に行動する。意味ある人生を送るためには目指す方向が必要だ、と著者は述べています。自分が価値を置くものをガイドにして目的意識を掘り下げ、意味ある目標を設定してそれを精力的に追い求めていくことで、過去の失敗やトラウマもしくは未来への不安といったものに囚われることなく、「今・ここ」を見ることができるようになります。苦痛や問題に上手く対処できるようになれば、そのような経験から学んで成長することもでき、それが豊かな人生につながるというわけです。適切な価値と目標のために行動していく、これが非常に大切です。

 

いかがでしたでしょうか。何かひとつでも参考になればいいのですが、これでもご紹介できたのは本書のごく一部です。本書で挙げられていた具体的なエクササイズやワークについては言及できませんでしたので、興味を持たれた方はぜひ本書を手に取って読んでみてください。それでは最後に、まとめとして本書から文を引用して終わります。

価値に従ってさえいれば、満足は今この場所、この瞬間に与えられる。そして他の人々からの承認を求める必要もない。誰かに「やり遂げたね」あるいは「君のやっていることは正しいよ」と言ってもらわなくてもよいのだ。価値に従って行動していることを自分で分かっていれば十分だ。 (p.266-267)

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【お知らせ】

5月28日開催のダンゴムシの会、参加希望は27日18時で締め切らせていただきます。開催要項や参加希望の仕方等、詳しくは以下の記事でご確認ください。

dango64.hateblo.jp

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以上、つっきーでした。
それでは次回更新をお楽しみに。

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